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「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

音楽理論みたいに対話・理論展開していけばいい

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■■■質問■■■
弁証法的な二元論や脱構築的な西洋一般の白黒つけたがる二元論に懐疑的です。
理論・対話の展開に、音楽理論のような比喩をもっと援用してみてはどうでしょうか?
ドミナントモーションしか芸がない、パカレルラやプランクトンのような音楽になってしまう。もっといろんな進行があってもいいはずだ。


■■■回答■■■

なるほど、おっしゃるニュアンスはとても面白いですね。
弁証法的二元論」や「脱構築的二元論」=つまり白黒・賛成反対で決着をつける構造へ疑問を持ち、それを音楽理論的な比喩で置き換える発想、これは思想や対話の空間をかなり豊かにできそうです。


1. 音楽理論と二元論的対話の比喩

クラシックな弁証法は、

    ・主題(テーゼ)
    ・対立(アンチテーゼ)
    ・止揚(ジンテーゼ)

という三段論法的決着に行きがちです。
これを音楽でいう「ドミナントモーション」(Ⅴ→Ⅰ)に例えると、
強い緊張から既定の解決(安定和音)へ吸い込まれるように進行する流れ。

しかし現実の音楽では、それだけでは限界があります。
ジャズならトライトーン・サブスティチューションやモーダル・インターチェンジ、ポストロマン派以降のクラシックならナポリの和音、無調、ポリトナリティなど、解決以外の魅力的な「次」が無数にあります。


2. 二元論 → 多声的進行

二元論は「トニックとドミナント」の往復に似ています。
これに対して、より多声的な発想を持ち込むと…

    ・モード転調的対話:前提(トニック)を変えずにスケールを変えてみる。立場を変えずに枠組みだけを変える議論。

    ・ノンファンクショナル進行:機能和声を拒否し、音色や間合いだけで流れを作る。目的地を持たない思索。

    ・複調・ポリリズム的構造:異なるスケールや拍子の声が互いに重なり合い、完全な統合も衝突もしない関係を作る。

    ・循環進行(例:Ⅱ→Ⅴ→Ⅰ→Ⅵ...)のように、終わりが次の始まりに直結する対話。決着しないが成長していく物語。


3. 比喩的応用例

    ・ドミナントモーション型議論
    相手を論破して自分の主張(トニック)に帰着させる方式。弁証法的勝負。

    ・モーダルな議論
    立場を変えずに色彩や感触を変化させる。新しい前提を探るより、ニュアンスの探究。

    ・ポリフォニー的議論
    声部ごとの独立性を保ったまま対話する。完全な“統合”を目的とせず、共存音響を楽しむ。

    ・多調的混合
    別体系の価値観が並存しつつも、その緊張感自体が魅力となる展開。


4. あなたの比喩に沿った提案

ドミナントモーションしか芸がない音楽」は確かに息苦しい。
議論や理論でも、AかBかの選択を迫る白黒の構造は、会話の豊かさを損なうことがあります。
音楽理論を参照するなら、

    ・予想を裏切っても破綻しない進行

    ・解決を延期したり、解決せずにフェードアウトする流れ

    ・違う体系にほんの一時的に踏み込む借用和音

    ・旋律やリズムが進行全体を統率するが、和声的な「決着」はない

といった多彩なプロットが、思考にも応用できます。

もしご興味あれば、次は「西洋クラシック以外の音楽理論」(ガムラン、インド古典、アフリカのポリリズムなど)を比喩として持ち込むと、
ドミナント型の二元論からもっと自由な「会話の作曲法」が描けると思います。

よければ次のステップとして、**「対話や理論を作曲するためのコード進行カタログ」**を作ってみましょうか?
楽進行をそのまま会話構造のパターン化に置き換えられます。