P突堤3

「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

よそくの工夫 かなにひらく言葉





■■■質問■■■
連体修飾には、関係規定と属性規定がありますが、いわゆるノ形容詞(属性規定)の用法に着目して

はかたの味噌
いのちの遊び場クラゲ館
そだちの家
みどりのバス

・・・のように漢字であらわせる言葉をあえてひらがな表記にする、固有性を際立たせる独特の効果が感じられるような例をもっと教えてください。
○○の▲
のようなやつです。商品名、施設名、機関名ほかさまざまなジャンルから採り上げてみてください。

 

■■■回答■■■
ご質問の「○○の▲」型で、漢字で表記できる言葉をあえてひらがなにすることで、固有性や柔らかさ、親しみやすさ、独特の印象を与えるネーミング例を、さまざまなジャンルから挙げます。
ひらがな表記の「○○の▲」ネーミング例

商品名
    ・しあわせのパン(映画・パン屋の名前としても使われる)
    ・きぼうの水(飲料や被災地支援商品名などで使用例あり)
    ・まごころの味(調味料や惣菜のブランド名)
    ・みのりの秋(各種商品名)
    ・ネコのきもち(雑誌/ホットアイマスク)
    ・まほうのコンパクト(クリーミーマミ)

施設名・店舗名
    ・ふれあいの里福祉施設や観光施設によく見られる)
    ・そよかぜの家(高齢者施設や児童施設名)
    ・ひだまりの湯(温泉・スーパー銭湯
    ・もりのこども園(保育園・幼稚園)
    ・よろこびの里(介護施設/就労継続支援B型/海鮮居酒屋)
    ・やすらぎの森(キャンプ場/斎場/診療所)

機関・団体名
    ・いのちの電話(自殺防止・相談窓口)
    ・こころの相談室(カウンセリング機関)
    ・ひかりの教会(宗教施設)

地名・公共施設
    ・いずみの森(公園・学園名)
    ・さくらの町(町名・団地名)
    ・ひまわりの丘(公園・観光地)
    ・いこいの森(公園・各種施設)

その他
    ・つきのうさぎ(和菓子やカフェ名)
    ・ほしのこ保育園(保育園名)
    ・みらいのたね(教育プログラムやNPO名)
    ・みらいのうた(吉井和哉ドキュメンタリー映画
    ・ちからの源(ブログ記事とかでよく目にする)
    ・あしたの約束(ブログ記事/曲名など)
    ・かぞくの絆(コンサート/特殊清掃/フォトスタジオ)

 

【ひらがな表記の効果】
    ・柔らかく親しみやすい印象を与える
    ・固有名詞として独自性・新しさを強調できる
    ・子どもや高齢者向け施設、自然や癒し系のイメージと親和性が高い
    ・地名や商品名で「覚えやすさ」「やさしさ」を演出する目的で多用される

このような例は、商品・施設・団体・地名など幅広いジャンルで見られます。

■■■質問&回答 ここまで■■■

 


※ぴとてつ所見:
格助詞の「の」には関係規定(コンピューターの判断)と属性規定(独自の判断)があって、
この記事の例の格助詞はもちろん関係規定ではあるのですが、
ひとつのクリシェフレーズを連ねるチャンク一体感というものがありますので(関係規定のときは個々の素材が別個に際立つので一体感は薄れる)
理性的な判断は別としても情緒的な評価としては属性規定の域に一歩近づいている表現だと思います。
表記でそれを示しているのは面白い現象です。

ペンタクラスタキーボードの液晶面のインターフェース、
液晶面に数文字入力すると
・仮定の問題(家庭/過程をパージ)
・鉄板の高評価(具体物の鉄板じゃなくて属性規定の鉄板)
・胸熱の展開(宗篤をパージ/熱がイ落ち形態でスラング的だがクリシェとみて採りたてる)

などのように、末尾[の]付きで自動サジェストされる、そして同時に絞り込み・分別もされる(他候補から)
ついでにいえば同時に文法標識[属性規定]も付加した上で格納する
など
属性規定のフレーズを格別にとりたてていく仕組みを作れば
後続に連なる終端の名詞も自然な流れで予測サジェストができますし、クリシェですので予想も当てやすいというメリットがあります。

なのでこの記事中の
「○○の▲」型で、漢字で表記できる言葉をあえてひらがなにするパターン
のカタチのものも、このシステムに取り込んで適切に予測サジェストを出してあげれば
頻出動作のさばきが利便性向上すると思いますので、
すでにある施設名や商品名というのではなくて、新設/転写/造語のまっさらな状態でも随意にタイピング入力ができるので
データベースの充実ではなく、仕組みのアプローチで対応していくので応用性が増してくる方策となるでしょう。

このトピックは雑記にしようかと思いましたが
以前述べた第三形容詞(ノ形容詞)に近い分野だと思うので
カテゴリ「形容詞研究」
に分類しようかと思います。
はてなブログはカテゴリの複数設定が許容されているので

カテゴリ「タッチ液晶部予測変換その他の挙動について」
カテゴリ「形容詞研究」

にまたがって設定しようかと思います。