
■■■質問■■■
文芸賞の選考で、木っ端の創作者が多すぎて、選考側はいちいち全部の作品を読むことができず、事実上webアルゴリズムのゴキゲン次第で、真に輝く作品が埋もれていたり、多様性が狭められている
、といった趣旨や問題意識の提起をしているweb上の記事を教えて下さい。
解説もつけて。
(注:質問時点ではAIスパム応募の可能性について気づいていませんでした。選考側の負荷も論点の一つだと思います)
■■■回答■■■
文芸賞選考において「応募作品数が膨大すぎて選考委員が全てを読めず、アルゴリズムや露出次第で本来光るべき作品が埋もれ、多様性が狭められる」問題意識は、複数のウェブ記事で提起されています。
▶実際に問題提起している記事
>「文学賞のこれからについて|読者による文学賞(note)」
・一人一人の推薦や応募が増えすぎると「全作品を読む」運営体制が崩壊し、読者や推薦数の多い作品だけが生き残ることになるという苦悩が語られています。
・運営側は「たった一人の読者の心を震わせた作品」を埋もれさせない理念を掲げていたが、現実的な上限設定(例:最大100作品に絞る)が必要と認めざるを得なかった経緯が解説されています。
・作品以外の要素(推薦数や人気)が影響する制度・方針は本来の評価軸をゆがめ、多様性や偶然の名作の発掘が難しくなると指摘されています。
>「AI時代の文学界を航行するために:小説家のための戦略的分析(note)」
・AIアルゴリズムによる選定の限界と、形式的な整合性やパターン認識による評価が「真に独創的な作品」を見落とす危険を論じています。
・人間の選考委員は、アルゴリズムが見逃す破格の個性や感情性を求めるが、応募総数・Web露出やアルゴリズムの影響で「機械が見つけやすい平均値的作品」や表面的なインパクトが優遇されやすい現状があると分析されています。
・現況では、実質的に選考システムが「Web露出」「AIによる初期評価」ありきとなることで、偶然の傑作や未発掘の個性的作品は埋もれやすいと危惧しています。
▶問題の具体例・解説
・近年はWeb文学賞や公募型のコンテストで応募が爆発的に増加し、運営・選考委員側も物理的に「全作品を読む」ことが困難になっています。
・その結果、推薦数、いいね数、話題性、Webアルゴリズム(表示順・検索順位等)で作品が絞り込まれるため、真に独自性・多様性を持つ作品が見逃されやすく、「大多数向け」「平均値的」作品の方が選ばれやすくなっています。
・機械的なフィルタリングが導入されると、形式的な完成度ばかり重視され、サブテキスト・皮肉・唯一無二の芸術的欠点など「人間的な深み」を評価する余地が減るため、文学の多様性自体が狭められてしまいます。
・こうした運営側の限界認識や制度変更は、文芸賞の理念(埋もれた名作を救う)が現実のアルゴリズムや数値主義と競合・矛盾している点を浮き彫りにしています。
▶関連する参考記事:
https://note.com/matsu1884/n/nea4257a3dda2
・「AI時代の文学界を航行するために:小説家のための戦略的分析」
https://note.com/good_gnu448/n/n4e8f5cff2720
この2記事は、応募総数増加とAI/Webアルゴリズムによる選別による「埋もれ」と「多様性狭窄」の根本構造と、その問題意識の詳細な展開を行っています。